虫歯と運動能力の関係(2015.8.22)

 小・中学生の口腔内の状況と運動能力との関係について、興味深い調査結果があります。小学生では、懸垂、50m走、走り幅跳び、ボール投げについて成績の良いグループと悪いグループの2群に分け、未処置の虫歯の数を比べてみたところ、走り幅跳びで有意な差があり、成績の悪いグループに虫歯が多いという結果でした。誰でも「固有の咬み癖(咀嚼得意側)」があって、これが身体の重心をとる機能と深く関わっていると言われています。虫歯ができると、無意識に歯を咬み合わせる経路や咬み合わせを変化させ、痛みが出るような咬み方を避けるようになります。これが重心移動に影響を与え、パフォーマンスを低下させると言われています。オリンピック選手を対象にした調査では、虫歯のない選手は男子で53.3%、女子で62.7%でした。厚生省の調査では、25歳の男子が26.3%、女子が40.9%という結果です。運動でいい成績を残すためには、歯の健康が、関係していると言えます。そのためには悪くなったらなおすのではなく、定期的検診を受けることをお勧めします。

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