加藤武彦先生講演会「往診義歯-食べる喜びもう一度」(2012.7.2)
奈良で加藤武彦先生講演会がありました。40年以上、在宅診療を
続けてられる往診歯科の重鎮で義歯の達人です。その技術もすば
らしいですが患者さんが食べる喜びを取り戻すために70才を過
ぎても頑張っていらっしゃる熱いハートの先生です。従来の考え
方を覆すニュートラルゾーン理論を使い、噛めない義歯を即日
噛めるようにする改造法を紹介してくれました。うまく噛めないと
筋肉の廃用萎縮が起こり、飲み込むことが出来ず、肺に食物が
入る誤嚥が起こります。加藤先生自身も10年以上前、脳梗塞に
なり、口に麻痺がでました。その経験から、早期に入れ歯を改造
することで咀嚼嚥下がうまくいくことを痛感されたそうです。入れ
歯は作ったが、浮いたり痛くて使えない、そんな入れ歯をなんと
かしてあげることが歯医者の努めであるという信念で動いてられ
ます。 誤嚥を繰り返す患者さんは、胃婁といって胃にチューブを
いれ、口を介さず食事を入れるのです。人生の最後がこれでは、
気の毒です。自分も加藤先生に教えを乞い、勉強を重ねて食べ
る喜びを取り戻せる義歯を提供したいと強く思いました。