顔の表情で幸せになる「顔面フィードバック」(2012.9.26)

東京大学准教授の池谷裕二先生の「脳には妙な癖がある」を

紹介します。最新の脳科学の情報がたくさん詰まった本です。

いろんな心理実験と脳科学とを組み合わせ、おもしろい仮説

を引き出しています。日本が世界に誇るべき脳研究者の最

新著書です。「笑顔を作るーまず形からで幸福になれるという

部分」を紹介します。

 箸を横にして歯で噛んだ場合と縦にして唇でくわえた場合に

同じまんがを読んでおもしろさの点数をつけます。すると、箸を

横にくわえた方が高得点になりました。

 「おいしい」「死」「親切」「ほめる」などの単語を「楽しい」か「悲し

い」のどちらに属するかを分類してもらいます。すると、箸を横に

くわえると楽しい単語を「楽しい」と分類する時間が短くなりました。

 箸を横にくわえることは笑った表情、縦にくわえると沈鬱の表情

を強制的に作りだすことになります。

 つまり笑っている表情は楽しいものを見いだす能力を高めるとい

う仮説が、この実験の結論です。

 「楽しくないのに何故、笑わないといけないの。」ではなく、笑う表情

を作ることで楽しくなり幸せな気持ちになるということです。

 これを顔面フィードバックといいます。笑顔を作ると、脳内に快楽

物質(ドーパミン)がでることも証明されています。 

 歯は、表情に大きく影響します。歯がなかったり、歯が痛いと笑う

ことができません。幸福になるためにも、歯を大切にしてください。