超高齢社会における歯周病治療(2013.6.2)
日本歯周病学会春季学会が、東京で行われました。
「超高齢社会に向けての歯周病治療」松本歯科大学吉成教授の
講演がありました。日本の高齢化のスピードは世界一で、国民の
30%以上 3000万人が65才以上です。これは、カナダの人口に
匹敵します。 歯周病治療で一番大事なことは、口の中の歯垢を
減らすことです。毎日の歯ブラシが、歯垢を減らし、病気の進行を
防ぎます。最近は歯が多く残っている高齢者が増え、高齢者の歯
周病が、増えています。一般的に高齢になると、汚れに対する感
覚が鈍くなり、唾液も少なくなり、細かい手の動きもしにくくなります。
歯科医院での、定期的な清掃と自分での清掃の工夫が必要
になります。電動歯ブラシの使用も検討すべきです。
唾液腺のマッサージで唾液をふやし、若い時から、歯を大切にし
てよく噛めるようにしておくことが非常に大事です。
91才の男性が歯医者へ行ったら、もう高齢だから我慢しなさいとい
われ治療、憤慨して吉成先生の所へ来ました。先生は、一番早くで
きる取り外しの入れ歯を作ってあげました。しかし、男性は入れ歯で
は、いや 固定式の歯を入れてくれといいました。
わかりましたと、時間と手間をかけて一所懸命やると、患者さんはた
いそうよろこばれ これをみんなに発表しなさいとおっしゃたそうです。
もう年だからあきらめろではなく、生きている限り元気で社会参加で
きる口の機能をを提供することの重要性を再認識させられるお話で
した。
歯周病の治療は高齢になるほど、難しくなります。体の健康とともに、
歯や口の健康も積極的に考えてください。