現代の子どもに見られるアゴの退化ー徳川家 骨は語る(2014.7.30)
徳川家は、15代265年間続きました。この間の頭骨や歯列の変化を調べた貴重な研究があります。東京大学理学部の鈴木尚先生の「骨は語る-徳川将軍・大名家の人々」(東京大学出版会)にまとめられています。 やわらかく栄養の偏った食事をしていた徳川家の将軍には、貴族形質とよばれる著しいアゴの退化傾向が認められました。がたがたした歯並び、歯周病、虫歯などが現代人と同程度に認められます。しかも骨や歯を見ると、一代進むごとに、退化が大きく進行しています。現代人も祖父母に比べて父母の退化が進み、その子たちの退化は激しく進んでいますが、この点も徳川将軍家と現代日本人は似通っています。14代家茂は、現代の退化した若年者の最先端をゆく顔形、歯並びとなっています。あごも小さく歯並びも悪く虫歯も多く、親しらずも半分埋まっています。家茂は甘いものが好きで、病弱で、最後は胸痛、咽頭の腫れ、足の浮腫などを悪化させて、21歳で病死しました。柔らかく噛まない物はアゴの成長を阻害し、口の中も不潔にします。何をどの様に食べるかが健康の基本であり 子どものすこやかな成長にかかせないものであると徳川家の骨は語りかけてきます。自分の孫の事まで考えた食生活「マゴハ ヤサシイ」(7月28日の院長ブログ)を参考にして下さい。