歯周病の基本治療と暫定的なゴール(2014.12.20)

 歯周病治療の流れは、まず検査と診断、治療計画。次にやることは、歯周基本治療です。歯周病の権威、リンデ先生のテキストでは、cause-related therapyと書いてあります。これを訳すると原因除去治療です。歯周病の原因とは、歯周病菌が作る歯垢です。基本治療とは日々、口の中の歯垢を自分でとる、とれるようになるためのトレーニング期間です。薬や手術だけでは、一時的に良くなる事があっても、再発します。やせるために脂肪吸引をしても同じ食生活(原因)を除去しないと元に戻るのと同じです。最終的なゴールは、歯を失わないことですが、基本治療期間中のゴールは歯に着いた歯垢が全体の2割以下になること、歯周ポケットが4mm以下になること、検査の時に歯ぐきからの出血(BOP)がないことです。この状態を続けていれば、歯を失うことはありえません。トレーニング期間にゴール達成ができ、後は頑張らなくても、この状態を維持できることが理想です。しかし、病気になる習慣はなかなか治りません。そこで3ヶ月に一度の定期的なメインテナンス(歯周サポート治療)での軌道修正が必要になります。歯周基本治療と歯周サポート治療、暫定的なゴールの3本柱を意識して治療に望んで下さい。

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