骨そしょう症には口腔ケアが必要な理由(2015.5.9)

 骨そしょう症は骨の密度が目立って減った状態で使い古したスポンジのように、骨がスカスカになってしまう病気です。国内には推定で1100万人を超える患者がいて、その8割が女性で60才代では3人に1人、70才代では2人に1人が骨そしょう症の可能性を指摘されています。現在、日本には約100万人の寝たきり高齢者がいます。その大きな原因は脳血管障害(脳出血や脳梗塞)と骨そしょう症による骨折です。骨そしょう症の代表的な薬がビスフォスフォネート剤です。この薬は骨の代謝をコントロールすることで骨密度低下を抑える作用がありますが、副作用もあります。口の中に虫歯菌や歯周病菌がたくさんあれば、歯を支えている骨に細菌が侵入し骨を壊し、骨を腐らせてしまいます。特に歯を抜いた後に起こるので、歯を抜く前には、薬を3ヶ月程度中止する必要があります。口の中が汚染されている人ほど骨に影響がでます。大事にならないよう骨そしょう症の人は、薬を始める前の歯のチェックと定期的な口腔ケアが必須です。

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