全国ビリから世界のトップへ(2015.9.19)

 山形県の酒田市、全国でビリだった子どもたちが、10年を経て日本のトップレベルになりました。これは子どものむし歯の話です。山形県は子どものむし歯が1番多い県だったのです。1990年の3歳児のむし歯経験者の比率は78.5%で、47都道府県で最下位。ところが、そのむし歯の多い山形県の酒田市が全国でもトップレベルの歯の健康状態を達成したのです。むし歯の成績は、12歳の子どものDMFTという歯数で表されます。日本の12歳の子どものDMFTは、ほぼ2.9。酒田市は1.4。NHKでも紹介された熊谷孝先生は、1996年酒田市内の小学校の学校歯科医として虫歯を減らし虫歯にさせない活動を始めたのです。虫歯予防に、もっと確実で効果的なことは、子ども自身が自分のからだに関心を持って、自分のからだを自分で管理することの大切さを理解することです。歯ブラシもフッ素も、そのための道具の1つです。むし歯をなくす教育は、子どもたちの虫歯を激減させただけではなく、健康に対する考えを持たせ、歯科医院を予防に利用する活動になりました。エデュケア=エデュケーション(教育)+ケア(予防)、 教育のないむし歯予防には、限界があり、将来にわたっての健康を得ることができません。家族全員で自分の体の健康を考えるお口のエデュケアを、当院でも実践していきたいと思います。

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