食いしばり癖が、体に及ぼす悪影響(2015.10.30)

 何もしていない時、唇を閉じていても上下の歯は触っていません。この状態を、下顎安静位と言います。本来上下の歯は会話、食物の咀嚼、食物の嚥下という動作をするときに瞬間的に触るだけで、接触時間は1日に20分以下です。ところが、普段から上下の歯を触らせたままにしている人がいます。長時間接触していれば筋肉は疲労してきます。また口を閉じる筋肉が働くと、顎関節が押えつけられ、関節への血の巡りが悪くなることで、顎関節症になったり、正座していて足がしびれたときと同じように、歯の感覚が敏感になって知覚過敏や歯の痛みを感じやすくなってしまいます。この不必要な上下の歯の接触癖をTooth Contacting Habit (TCH)といいます。この癖を是正すると,顎関節症や知覚過敏の症状が消える方が多数あったと報告されています。つまり食いしばり癖が体に悪影響を与えているのです。また、痛くて義歯が入れられない患者さんや歯周病の進行した患者さんなどにも効果が認められています。自分の歯を生涯使用するためにはこの癖に気づき歯科医院で診察指導を受けましょう。

                       

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