「胃ろうよ さよなら」国際医療福祉大学 竹内孝仁先生講演会(2012.10.13) 

国際医療福祉大学 竹内孝仁先生の講演「胃ろうよ さよなら」がありました。

竹内先生は、30年以上特別養護老人ホームにかかわり、「離床」「おむつはずし」

を実践されてきた、リハビリ界のパイオニアです。人間としてのプライドの回復を第

一に考え、高齢者の機能回復に携わっておられます。日本人はおとなしいからか、

年老いたり障害を受けると、おむつをつけられたり、寝たきりにさせられることに、

抵抗しようとはしません。迷惑をかけたくない気持ちがあるのでしょうが、施設でお

むつをつけられた人は自分の人格まで否定された気持ちになり、生きる気力や体

力までなくしていくようです。今は、竹内先生の指導でおむつゼロの特別養護老人

ホームがどんどん生まれています。介護知識と介護される人への共感があれば

できることだと竹内先生はおっしゃっています。残念ながら、大阪、京都にはまだ

ないそうです。 現在、取り組んでいるのが、胃ろうをなくす運動です。 全国で40

万人、口から食べられずに胃に穴をあけ、栄養をいれるのが胃ろうです。口から

入れるとむせたり、肺に食べ物がはいるため胃から食べ物を入れるのです。

竹内先生は、胃ろう造設をしないでいい人やチューブを抜いていい人まで胃ろうを

している問題点を、指摘しています。人間は自分で噛み、咀嚼することで飲み込む

ことができます。咀嚼なしで飲み込ませようとするきざみ食やミキサー食、時間を

早く食べさせようとする食事の介助が、むせや食事の拒否を起こさせ、胃ろう増設

にいたる場合があるそうです。 最後の食べる楽しみまで奪われる胃ろう造設。

自分が、その人の身になったら、なんとしても避けたいことです。

 歯科の役割は噛めるようにすること、入れ歯で咀嚼ができるようにすることです。

胃ろうを作る共犯者にならぬよう、歯科のガンバリが必要です。

 詳しくは、筒井書房「胃ろうよ さようならー明日はおスシを食べに行こうー」を

みてください。自分も、そうされる可能性があるなーと考えさせられたお話でした。