噛む能力が低い人は、バランス感覚も低くなる(2015.4.20)

11年前、バイクに乗っていた高齢者が子供が蹴ったサッカーボールをよけて、転倒し骨折し寝たきりになり、1年後に肺炎で亡くなった事故がありました。最高裁で子供や親に責任はないという判決がでましたが、それまでは責任を問われ1000万円以上の賠償金の支払いが命じられていました。高齢者はバランス感覚や筋肉が衰え、歩いていても転倒することが多いです。

 平成24年の口腔衛生学会雑誌に噛む能力と片足立ち可能時間の関係を調べた研究があります。65才以上の高齢者の特に女性において、噛む能力の低い人は片足立ち可能時間も少なくなるという結果がでました。顎の関節は、バランスをとる三半規管のすぐ前にあり、発生的にも近い関係があります。噛めないことは体のバランスにも関係し、転倒骨折の要因になります。歯は噛むだけではなく、バランスを取る役割もしています。左右前後、歯全体で噛むことができる事が重要です。

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