入れ歯を入れないと認知症になりやすい(2015.9.29)

 2013年に山本龍生・神奈川歯科大准教授が入れ歯と認知症の関係を、調査しました。65歳以上の健常者4425人の歯の状態を記録し、その後4年間、認知症を伴う要介護認定を受けたかどうか追跡しました。その結果、歯がほとんどなくて義歯を使用していない人は、20本以上歯が残っている人より、認知症による要介護認定を受けた頻度が高く、そのリスクは1.85倍にも上ることが分かりました。なぜ歯が少なくて義歯を使っていないと発症リスクは高くなるのでしょう。山本准教授は、以下の仮説を挙げています。ものを噛むと、脳の血流が増え、記憶を司る海馬も活性化することが分かっています。噛めないことで刺激が足りなくなっている可能性があります。当然のことながら何でもバランスよく食べられないので野菜や豆など認知症のリスクを下げる食べ物が特に苦手になりがちです。さらに義歯を使っていないことで社交性が失われ、引きこもりがちになることも影響しているのでないかと報告しています。違和感の少ない良く噛める入れ歯を作ってもらい、それに慣れることが認知症を防ぐことに重要であることが、明らかになりました。

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